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【和歌山県】害鳥の生態と対策について

害鳥の生態と対策について
 3月になり、温かくなってきました。温かくなると鳥たちが活発に活動し始めます。鳥にはペットになる可愛らしい鳥もたくさんいますが、『害鳥』と呼ばれる人の生活に危害を加える鳥もたくさんいます。先日『害獣』についてお話ししたと思いますが、今回は『害鳥』と呼ばれる。鳥たちの生態と対策についてお話ししていこうと思います。そもそも『害鳥』とは人間やペット、農作物などに悪影響を与える鳥類のことを言います。ちなみに役に立つ、利益を与える鳥を益鳥ということもあります。その害鳥がなぜ多く発生し、人間の生活域に影響を及ぼすかというと、環境破壊や気象の変化により生息可能な環境が減少してきているとこで上位種つまり天敵が激減して下位種である害鳥が大繁殖しているのが現在の大きな原因です。また環境破壊により、生息域が激減し、餌となる生き物や作物も減少していることから、人間の生活域である市街地に生ゴミや農作物を求めて現れるや住処にするケースが非常に多く一般的になってきています。これらの原因のほとんどが人的要因になっていることも理解する必要があると思います。和歌山県での害鳥の被害としては田畑や果樹園において収穫前の穀物や野菜、果実を食い荒らすといった被害が多く挙げられます。食い荒らされた農作物は当然売り物にはならないため、農家の方にとっては経済面での被害もあります。ただし、上記でも少しお話ししたように益鳥という考え方もあり、繁殖期にはヒナに餌をあげるために農業害虫を捕食する一面もあります。また、あまり一般的ではありませんが水辺においては養魚場や海で漁獲した魚介類を捕食することで問題になる害鳥もいます。鳥たちは賢い生き物ですので、一度味をしめてしまうと何回も繰り返す傾向があるため、住み着いてしまうと厄介になります。身近な被害で説明すると鳥の糞害により道や家屋が汚染されることやゴミ捨て場の生ごみを荒らすケースが多くあります。珍事として海外ではキツツキにより家に穴を開けられるという事件もあるそうです。また小動物が大型の鳥に襲われる場合や育雛期の鳥は人間に襲われると勘違いして防衛本能から人を威嚇や攻撃してくるケースもあります。また和歌山県以外の地域ではある都道府県では白鳥や鶴等といった観光地である場所に住み着き、それらの保護鳥に与えられるはずであった餌を狙う鳥たちもいるそうです。観光地であることや保護鳥にも悪影響を与える可能性があるため、対策は非常に困難になる珍ケースもあるとのことです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

害鳥の種類と被害例を表にしています。
この中でも和歌山県で多く被害が報告されているカラス』『スズメ』『ハト』『ムクドリ』『ヒヨドリ』の5種について生態と被害、そして対策についてお話ししていこうと思います。
まず『カラス』についてです。カラスは童話にもなっているように非常に身近で出かけると必ずと言っていいほど目に留まる生き物になっていると思います。カラスは自然環境課では最長で8年~9年生きると言われています。繁殖を行うまでには必要となる時間は3年ほどであり、産む卵は3~4個程度です。そのため、極めて繁殖能力が高いわけではありません。しかし、上記でも説明したように天敵が少なくなっていることと、育雛を積極的に行うため、ほとんどが確実に生育し、成鳥します。カラスの被害報告としては作物が育った田畑や市街地のゴミの収集所に飛来し、餌となる対象を食い荒らします。農家では収入も減少します。市街地のゴミを荒らされると悪臭や衛生面での悪影響が考えられます。またカラスは凶暴性も高く、ヒナを育てている時期は警戒心も高くなっており、人やペットなどに威嚇や攻撃してくるケースも多いです。そして、非常に賢い鳥です。一度覚えてしまうとそれに味を占めて何度も繰り返すパターンが多いです。ですので、確証はありませんが人の顔を覚えて何度も攻撃してくるケースもあるかもしれません。カラスの弱点から考えられる対策として田畑には案山子などの人型カラス除けを設置することからはじめ、日によって位置を変えることや反射材の光に弱い傾向があるため、反射材を付けることなどの追加対策をお勧めします。反射材には古くなったCDや自転車用の反射材を使用すると良いです。また市街地のゴミ収集所ではカラス飛来防止ネットや金属性の網を使用することでゴミを荒らすことがなくなります。農作物やゴミを荒らす場合は基本的に餌を求めている場合がほとんどであるため、餌を取ることが困難であることを理解させれば、学習して近寄らなくなります。そうなるためには対策を継続し、日々の対策に変化と工夫を齎すことが必要となります。

続いて『スズメ』についてです。スズメも可愛らしい小型の鳥類ですが、農家の方々にとっては複雑な存在になっていると思われます。スズメの主食となるものは種子です。イネ科やタデ科の未熟な実を食べて栄養を摂ります。繁殖期は1年間に1回~3回に及び、一度に4~8個の卵を産みます。卵から孵ったヒナが成長し、巣立つまでに約1か月となります。上記で説明したカラスと比べると繁殖能力は高いと思われます。スズメの被害場所としては稲や麦が植えられている田畑が主な被害に遭っています。特に影響を受けやすい時期としては5月から9月が挙げられますが、様々な種子を食べてしまうため、実際には1年に一回被害に遭う田畑が存在しています。田畑の対策としては防鳥網が一般的ですが、注意点としてはカラスとは違い小型ですので、網目は10ミリほどを目安として設置することにしましょう。また収穫時期を周辺の田畑と揃えることで、被害時期を明確にすることができ、他の田畑と情報共有を行うことができます。より効果的な手段を共有する良いと思われます。
 
続いて『ムクドリ』についてです。ムクドリは群れで行動を行い、市街地などの人工的な環境下でも生息可能なたくましい鳥類です。繁殖は1年間に2回で時期としては春と夏が対象になります。スズメと同じく、約1か月で巣立ちを行います。主食とミミズや両生類、昆虫や木の実を好む雑食性が特徴です。年間の行動としては春と夏は繁殖のために国内を北上します。冬が近づくと南下を行う生態にあるため、同じ場所に帰巣本能で帰ってきます。ですので、住んでいる場所によってどの時期に現れることが予測しやすくなります。また帰巣本能があるため、住処としている場所から追い払うのが困難になります。ムクドリは寒い時期になると決まった場所に『ねぐら』という巣を作り、冬を越します。上記でも説明したようにムクドリは群れで行動するため、ねぐらの付近では大量の木の実などを食い荒らしてしまう食害や、ムクドリの集団による糞害などの被害が報告されています。特に餌となる木の実が多い場所や、乾燥した場所はねぐらになりやすいため、注意が必要です。ムクドリへの対策としてはやや抽象的で難しいですが、ムクドリたちが生活している地域を住みにくい場所にすることが効果的と思われます。大群のムクドリが住んでいる場所には糞の量が多くなっているはずです。そのため、住み着いている個所を見つけた場合は周辺に生えている好物がなる木を別の場所に植樹し、雨風の影響を受けやすい場所へ移動させることが最も効果的な手段です。
 
続いて『ヒヨドリ』についてです。ヒヨドリはムクドリと同じ大きさでありながら、ホバリングが行えるほどの身軽な鳥類です。市街地、山地を中心に幅広く生息し、果実や野菜を中心とした甘いものを好んでいます。果実が盛んな和歌山県では天敵といえるでしょう。繁殖期は1年間に2~3回ほどあり、同じつがいで行うことが多いです。卵からヒナが巣立つまでは約1か月となっていますが、巣の対象となる場所が、林や公園、住宅の庭となっているため注意が必要です。被害としてヒヨドリは果実を好んでおり、全国的にも柑橘類が多く被害に遭っています。和歌山県では柑橘類が名産地になっている地域が多いためある意味では最も注意しなければいけないかもしれないですね。さらに、未成熟の実は狙わずに成熟するタイミングで実を食べますので、収穫時期が近づくにつれて被害が増幅している傾向があります。果実防止の対策として、物理的に作物へ干渉を行えない対策を求められます。そのため、防鳥ネットで田畑をすべて覆うことや、成熟を迎える前の前の果実を一つ一つ果実袋で保護することが最も効果的です。
 
最後に『ハト』についてです。ハトはカラスと同じくらい人間の最も近くにいる鳥の一種だと思われます。駅や公園で餌をもらおうと人に寄って来る姿を見ている限り、人に慣れており温和な生き物に見えます。また地域によっては『平和の象徴』として保護鳥として扱われているため、人によっては「害鳥?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、実はハトという生き物は闘争本能の強い鳥です。市街地で餌を捜している時はおとなしそうでも、自分の巣を外敵から守るためとなれば、同じ生き物とは思えないほどの凶暴性を発揮します。さらにハトは群れで行動する習性があるため、一匹だけでは複数のハトを相手にすることになります。生態的にはハトの繁殖力の高さが特徴的です。例として最も身近で見られる『ドバト』という種類で説明すると、ドバトの繁殖期は3月から11月頃までと長く、その間で平均5回、多い時で7回も卵を産むことがデータとしてあります。近年では室外機などの熱を発する機械などをうまく利用し、冬の寒い時期にも卵を産む傾向があるそうです。また、市街地に生息するハトの天敵としてはカラスや野良猫が挙げられます。自然に近い場所だとタカやフクロウなどの猛禽類も挙げられますが、まず市街地では接触する機械は非常に少ないと思われます。カラスと野良猫は市街地には多く生息していますが、これらの2種は人間によって駆除または撃退されてしまうため、ハトにとっては理想的な環境であると言えます。これらの繁殖期の情報をまとめると、上記で説明した種類の中で最も繁殖能力が高いといえるでしょう。ハトの被害には騒音や軽度の糞害から始まります。『休憩所』として短時間滞在するようになると始まりかもしれません。その後は休憩所が安心できる場所と認識すると『待機所』と定め、周囲で餌を狙う傾向や滞在時間が長くなることがあります。さらに安心度が増すと『ねぐら』として糞害が増え、『巣作り』の準備に入ります。巣を作ってしまうと繁殖を行うため警戒心が強くなり、近づく人間や他の生き物に対して凶暴的になりやすくなります。またハトにも帰巣本能があるため、何度も同じ場所に巣作りを行うことになります。さらにハトは場所を問わない傾向があり、市街地にいても室外機などの温かいものの近くに巣を作る傾向があるため、マンションのベランダや庭など人間に最も近い位置に巣を作ります。縄張り意識が高いため、その段階まで進むと追い払うのは至難の業です。諄いようですが、ハトは集団で行動します。一匹だけではありません。複数いると考えください。その光景を想像するとゾッとされるかもしれません。ハト対策としてはまず上記の説明を考慮すると早期対策が大切です。現れるかもしれないと思われる場所には下記の対策を行うことをお勧めします。ハトは家の塀やベランダの手すりに留まります。それらが初期段階の休憩所になる場合が多いです。よって、塀や手すりに市販で販売されている『ハト除けの有針剣山』を使用すると良いと思われます。物理的でかなり効果的であります。市販のものでないとすぐに使えなくなることやハトに危害を加えることもあるため、市販のものが安全であると思われます。長期的に設置しておきたいため、接着剤や両面テープで固定すると良いです。またすでに『巣作り』を行ってしまっている段階まで進んでいる場合では『忌避剤』という薬剤も市販されています。特殊ジェル状タイプやスプレータイプ、霧吹きタイプ等種類は豊富にあります。天然成分を使用しているので人体やペットに害のない種類もありますが、臭いが強いものなどもあるため、購入の際には必ず説明を確認するようにしましょう。雨などによって流れてしまうことがあるので効果は短期間のみとなります。時々使用することをお勧めします。またカラスの対策の時に説明した『反射材』や『鳥除けネット』も十分に効果的であると言えます。ただし、ハト対策と言っても近隣の方の配慮や許可を得てから行うようにしてください。『ハト除けの有針剣山』を使用する場合は家の塀では隣の家の敷地内になることもあります。『忌避剤』も公道に使用することはできません。『反射材』『鳥除けネット』も同様に適度な量を対策としてお使いください。近隣の方とのトラブルにならないようにお願いします。
最後に上記で説明した鳥類、および日本で生息が確認されている鳥類は『鳥獣保護法』という法律で守られています。駆除といっても簡単に殺すことはできません。またハトの対策で「危害を加えることがある」と記載していると思いますが傷つけることも違反となります。狩猟にはそれに対する特定の資格と都道府県からの審査と許可が必要になります。このことをお忘れないようにお願いします。明確な被害が出た場合は申請手続きを事前に必要とするため、すぐに駆除することはできません。そのため、防除や追い払いなどの手段に限られるようになります。それには上記の説明でも出てきたアイテム『防止ネット』や『反射材』などを使用すると良いと思われます。また自分自身で対策できない場合や難しい場合は専門の害鳥駆除を行う業者も様々ありますので正式に依頼や相談をすると良いと思われます。その業者によっては駆除に対する資格や許可を得ている業者もありますので心強いと思われます。以上で害鳥の生態と対策についてのお話しを終えます。
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