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害虫(シロアリ)の生態と対策について 2019年7月

 やっと和歌山県にも梅雨が訪れ、ジメジメとした日々が始まっています。梅雨が明ければ昨年と同様の『猛暑』と呼ばれる。暑い夏が始まります。皆様も熱中症や脱水症に気を付けてください。しかし、夏に気を付けなければいけないのは『暑さ』だけではありません。夏には虫たちが1年のうちで最も活動する時期なのです。中でも人から『害虫』と呼ばれている虫たちも人の生活に悪影響を及ぼすことになると思われます。今回は数ある害虫の中から1種類を抜粋して生態と対策をお伝えしていこうと思います。1種類の害虫は人の住まいや家具などを間接的に脅かす『シロアリ』です。
 『シロアリ』という名前の昆虫をしらない人はほとんどいないと思います。しかし、実際に見たことがある人は少ないのではないのでしょうか?シロアリの主食は自然界でも珍しい『木』です。シロアリは木の主成分である『セルロース』を栄養としています。自然界では倒木などを土に反す重要な役割があります。そのシロアリを主食にしている動物や昆虫もいます。この重要性に気づかれている方もいるのではないでしょうか?シロアリは植物性たんぱく質を動物性たんぱく質に変換することができ、自然界での食物連鎖において重要な立ち位置を担っています。しかし、自然界では大活躍のシロアリも人間界では木造建築を破壊してしまう天敵となってしまうのです。
 次にシロアリの種類についてです。シロアリにも様々な種類があります。現在地球上に確認されているシロアリの種類は約2500種類、日本では22種類確認されています。そのうち家屋に危害を加えるのは4種類になります。『ヤマトシロアリ』『イエシロアリ』『アメリカカンザイシロアリ』『ダイコクシロアリ』という名称です。
 まず『ヤマトシロアリ』についてです。ヤマトシロアリは日本に一番多く生息しているシロアリです。シロアリの被害の9割はヤマトシロアリによるものであると言われています。生息血は北海道南部から本州、九州とほぼ日本全域となります。和歌山県は木造建築の家屋が多いため、相当の被害報告があります。体長は3㎜~6㎜で1つの集団(コロニー)の個体数は2万~3万匹です。湿った木材を網目状の巣穴を作り、徐々に木材を食べながら範囲を広げていきます。ここで重要であるのが湿った木材ということです。湿った木材であるため、梅雨の時期から活発に活動を始めます。また常に湿った木材をエサにするため家屋では台所やトイレ、ふろ場周辺である水回りが被害に遭うことが大きな特徴です。
 次に『イエシロアリ』についてです。ヤマトシロアリよりも温暖な気候を好んでおり日本では関東圏から九州までの太平洋側の地域に分布しています。和歌山県も気候や地域の条件を満たしているため、発生報告は多いです。体長は3㎜~7㎜で1つのコロニーの個体数はヤマトシロアリを大きく凌ぎ100万匹近くです。そのために、大きな巣を作り木材だけではなくクロアリのヤマトのように地中にも巣を作ります。ヤマトシロアリとの違いは個体数だけではなく、イエシロアリは水を運ぶことができ、乾燥している所にも蟻道を広げていくことができるのです。さらに個体数が多くなることを踏まえると、様々な場所に短時間で被害を及ぼすことができるのです。
 続いて『アメリカンカンザイシロアリ』です。名前の通りアメリカからの外来種であるため、海外からの木材や家具の輸入時に付着して日本に住み着いたと推測されています。日本ではイエシロアリと同様の範囲で生息しています。体長はアメリカンサイズで上記の2種の約2倍。1つのコロニーの個体数は約2000~3000匹ほどです。アメリカンカンザイシロアリの特徴としては上記の2種と違い乾燥に強いため、水回りなど関係なく巣を作ることができます。よって被害の状況や範囲が予想することが困難になります。和歌山県でも「気づいたらこんな所まで!」という被害報告が多いようです。
 最後に『ダイコクシロアリ』です。ダイコクシロアリは今までに説明したシロアリよりさらに温暖な気候を好みます。本州ではまだダイコクシロアリによる被害は確認されていません。今後の可能性があるとすると木材や家具に付着してくることですが、世界では熱帯地域で生息しているため、本州の気候では生存していけないと思われています。万が一の可能性としては地球温暖化などの異常気象にて日本の気候が大きく変化することです。近年では冒頭でもお話ししたように『猛暑』という日々が続くことがありますので可能性としてはあると思われます。ダイコクシロアリは少し特殊で、大きな巣を作る能力がなく、小集団で発見されています。まだ被害数が本州では確認されていないこともあり、情報が少なく外来種でもあることから危険性が予測できない所が最もの特徴かもしれません。
 シロアリの対策としては、シロアリの弱点で「乾燥」とい物がありました。少し前まではシロアリは乾燥に弱い種類ばかりでしたが、今では時代の流れと共に外来種が多く生息しています。外来種は乾燥にも強い種類が多いので「乾燥」とう対策は難しいでしょう。しかし、時代はシロアリだけに味方はしていません。人が行う建築も時代と共に変わり進化しています。シロアリに強い素材での建築、タイシロアリ用の殺虫剤、物理的にではなくとも間接的に火災保険や自動車保険と同じように『シロアリ保険』というものもあるそうです。最近ではDIYで自分の力で補強したいという人もいると思いますが、今ではシロアリなどの害虫駆除を専門としている便利屋さんなどの業者もあります。和歌山県では『便利屋和歌山』が有名です。住まわれる家や高価なアンティーク家具は自分たちの財産であり、未来へ繋がれていくものです。それを確実に守るためにはそのような業務を請け負う所に連絡してみるのも良いと思われます。シロアリに関しては以上となります。

 シロアリ
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